土田山(172m) - 可児川左岸、東山道断崖道のイチリンソウ、ニリンソウの自生地をゆく -

 鳩吹山東隣りにちいさく三つの盛り上がりがならぶ小山に戦国の頃、土田氏次いで生駒氏が詰城として構えた小さな城が立ち、山麓に屋敷が並んだと伝えられる。木曽川へ合流する可児川沿いの狭い道は古くは東山道、また上街道土田宿へ通じた剣呑な崖道ゆえ時に残された感となっていたが、それが功を奏じてか種々の草花が自生する回廊と転じ地元の人らに守られ春時期にはちょっとした自然植物園風なエリアに生れ変っています。
 名鉄広見線可児川駅から可児川右岸、春の草花が咲きほころぶ畑のなかの自然歩道を歩き、鳩吹山大脇登山口へ進む。近年広く喧伝され鳩吹山登山者と相増してナカナカの盛況ぶりです。
 「織田信長の母 土田御前の出生地」と賑々しく記された石板が間道口に設けられています。仏塔・五輪塔がならび、その先の詰城への登山道には『整備不良ゆえ登山禁止』の立看板が可児市により20年ずっと前から立てられています。
 可児川左岸と絶壁の間を気をつけて歩きます。まず真冬に咲きつぐカンアオイの濃い緑の葉が目につきます。ショウジョウバカマ(猩猩袴)はいささか時期を失し精彩がありません。次いでこの自生地の目玉であるイチリンソウとニリンソウの群生地です。白い小さな花が可憐な饗宴ぶりをみせてくれこれほど咲き広がっているとは予想もしなかったです。木漏れ日がもれるこの環境が適しているのでしょう。ウラシマソウ(浦島草)も独特な葉を魅せてくれていた。
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春の祭典を思わすほど壮観です

1イチリンソウ
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下の渓谷回廊と合わせれば素敵な登山

2土田山
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小天神からカタクリ群生地への途中にて

3ヒカゲツツジ
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湯の華温泉近くの民家庭にて

4モクレン
< 交通アクセス >
電車(往復)名鉄岩倉駅 ←→(50分)可児川駅630円
バス※湯の華温泉と犬山駅東口まで無料送迎バス(毎日運行)が往復
<コ−スタイム > 歩行時間:3時間45分
shose可児川駅→(30分)大脇登山口→(見学 40分)土田山東巡視路→(35分)土田山頂(172m)→(15分)大脇登山口→(40分)鳩吹山小天神→(20分)カタクリ群生地→(10分)湯の華温泉→(35分)可児川駅

-土田山の花自生地と城趾へ-
滑りやすい砂利岩にはロープが垂れいささか腰が引けそうです。上がりより下るほうが緊張し、林に入るまで短いですが気が抜けません。回廊に降りてさあどうしましょう。せっかくですから鳩吹山のカタクリを見に足をのばします。
 小天神まで木階段を登り、返し群生地へ駆け下る。すでにカタクリの生育は終わり遅れ花が三々五々見つけれるぐらいでした。3月末までが見頃だったでしょうか。大脇の湯の華温泉から可児川駅へ土田山を横目に帰ります。
 まだまだ名のしらない草花があちらこちらに佇んでいます。竹林と欅、椋の木とつづき、巡視路表示板をすぎ小川に掛る木橋をわたり虹ヶ丘団地の車道に上がれば可児川駅へは近い。戻って巡視路入口で中食とする。このさき巡視路をとおり四等三角点(171.8m)をへて土田城址まで歩いてみます。
 三角点がある頂き近くまで民家が建ち、八曽の丘陵地からお隣の鳩吹山頂きアンテナ塔へと見渡せます。鞍部の竹林へ下り、ここからも下の古道へ通じます、二つ目の小峰へ上がる。淡い紅のアカヤシオが目につきピークには緑の立ち葉が並び苔もちょっと生えていた。さらにヒカゲツツジも幾ばくかみえ頭を揚げるとアセビがあちこちにゆれていた。
立ち木が刈られた土田山頂きからぐるりと見晴らしが効く。下山は可児川の回廊へ厳しい急降下です。

カメラ2012年春 カタクリ群生地

- 4月2日 /2024年
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