牛乗山と藤川宿 - 東海道旧宿場から、むらさき麦畑より仰ぎみる里山風景は昔と変わらない-

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中央が一畑山薬師寺、右が牛乗山 -旧本陣跡にて-

1牛乗山
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当時を偲ばせる古民家

2東海道・藤川宿

< 交通アクセス >
電車<往・復>名鉄岩倉駅 ←→ 藤川駅片道乗車券:980円

<コ−スタイム > 歩行時間:2時間20分
shose藤川駅→(10分)関川神社→(20分)奥宮→(5分)一畑山薬師寺→(15分)牛乗山(174m)→(30分)徳性寺→(10分)藤川宿東棒鼻→(25分)旧本陣跡→(25分)藤川駅

<雑 記 >
 この道は「三河八十八ヶ所弘法巡り」と称し明治20年代に地元の有力者らによりは発願し完成した参道で、徳性寺山内より東の阿弥陀寺に降りる1.5kmのコースです。戦前まで全山に八十余基のライトアップも施され非常に繁栄したとのことです。(徳性寺説明版より)
 東海道五十三次、三十七番目の宿場として栄えた「藤川宿」の北に低く横たえた山、牛乗山を訪れます。西方に年中多くの参拝者で賑わう一畑山(いちはたさん)薬師寺がありますので、そちらのほうはご存知でしょう。
 名鉄藤川駅から国道一号線をくぐり関川神社へ向かいます。牛乗山へは石段を上がった里宮から参道がつづき奥宮、そして薬師寺へと登ります。参道といっても赤茶けた硬い岩混じりの坂道で滑りやすくスニーカーていどだと難儀するかも。息が上がったところで薬師寺正面に着き南の三ヶ根山方面を見渡せます。境内は日曜とあって引きも切らない参詣者で盛況でした。
 当方は有名なお寺さんにはあまり興趣を覚えないので足早に本堂を通り過ぎ駐車場を横切り牛乗山へ足を向ける。駐車場を抜け小さな石の蛇ケ谷龍神社祠をやり過ぎ広い空き地に出ます。このあたりは第三紀末波蝕巨礫群(はしょくきょれきぐん)という地層で花崗岩が広く露出しています。(岡崎市指定天然記念物で説明掲示板あり)北から東の眺望が良く正月のご来光も素晴らしいとのことです。
 東端の雑木の切れ目より上がると花崗岩の盛り上がりに出ます。山頂を示す表示はありません。下山はどちらかちょっと迷いますが歩きやすい砂地をたどると「← 一畑山薬師寺」への表示をみます。地形図に記された道が南へ降りています。この道は麓の徳性寺阿弥陀寺へ下ります。徳性寺へは明るい雑木のなかを尾根を伝いゆっくり下ります。そして数十基の石室に鎮座する石仏が道を飾ります。(※雑記)
 古刹徳性寺をあとにし再び国道下をくぐり藤川宿を歩きます。


東海道三十七番目の宿場、藤川宿から牛乗山へ HD


yubi藤川宿についてはこちらからでどうぞ
 藤川宿は宿場としてはその規模は小さく東の赤坂宿や御油宿、西の岡崎宿に客足を取られ経営は芳しくなかったらしいです。
 宿場東入口である東棒鼻は歌川広重描いた絵で有名です。秋葉山常夜灯から高札場跡、幾ばかりの宿場風情を伝える旧家屋をすぎ本陣跡の広場は恰好な休憩場です。五月中頃紫の穂が垂れるむらさき麦畑栽培地をまえに、今も残る石垣跡上にて関川神社石鳥居より一畑山薬師寺、盛上がった牛乗山の背が午後の陽光に照られされていた。この光景は昔と変わらないようです、時々走り去る列車を除いては。そのお隣は脇本陣跡で今は藤川宿資料館になっています。(入館無料・月曜休館)関川神社常夜灯をすぎ現在の藤川小学校を右にその前が宿外れの西棒鼻です。十王堂境内には高さ1.6m、巾1mほどの芭蕉の句碑が残っています。
 『爰(ここ)も三河 むらさき麦の かきつはた はせを
 その先には広重、北斎に描かれた松並木が残っているそうですが、日が傾いてきたのを潮に駅へと戻った。
 山と宿場町を歩いた秋深きをおぼえる一日でした。

- 10月28日/2018年
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