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郡上市北東のめいほうスキー場に着いた時すでに日は高く上がり、夏日となる予報うえこれから訪れる烏帽子岳登山口までの長い林道歩きに汗かかされるのを覚悟しなければならない。三年前の春に山中峠を訪れたときいらいです。 スキー場第一リフトの下をくぐり水沢上林道に入る。そこは三井農林の社有林ゆえ当然ゲートも有り、「立入禁止」の看板も見る。これから延々と林道歩きがつづくと思うと気が沈む。管理小屋をすぎればすぐそんな思いを忘れさせる谷沿いの緑の森が広がる。谷川が流れ落ちる森の頭上に目ざす山稜がほんの少しみえる。二つの小橋を渡りはっきりした分岐を右へ上がる。左は下山に通るつもり。 以降よく手がはいったスギの人工林の明るい林道を歩む。ヘアピンカーブを二度曲るが地図に無い立派な道もあり方向を確かめつつ進む。もう一度紛らわしカーブを折れ(西へ)滴り落ちる汗を拭いながら高度を上げてゆくと烏帽子岳の稜線が望める地に出る。地図にあるクサビ形の分岐です。南へ折れ山すその乾いた地道は所々山からの清水が流れています。ふと足元を見やると可憐な淡い紫色の小花がこちらを見上げています。タチツボスミレです。踏まないように気をつけて。 やっと最後の分岐に着く。茂みの道へ入り10mほど先の右への切開きが登山口です。あとはササが良く刈られた尾根を登りつめる。長かった林道歩きゆえ牛歩並みの登歩。半ば程から自然林の様相と化し木々越しにスキー場の山稜やせせらぎ街道の谷村をも見下ろせます。 登り上ったところがT字路でどちらも道は明瞭でした。まず展望がよいという左の山頂へ向かうが、すぐササのトンネルとなり、密ではないが不安な思いにかられる。二人連れなら声を出し合って進めそうですが、コンパスだけでは帰りが思いやらそうです。
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