飯盛山 -エメラルドグリーンの流れがつづく木曽・柿其(かきぞれ)渓谷の山-

柿其渓谷
飯盛山(1074m) 柿其渓谷からあおぐ

< 交通アクセス >
電車<行路> JR中央線名古屋駅AM8:47発→中津川乗換→十二兼駅AM10:34着
<帰路> 十二兼駅PM16:24発→中津川乗換→金山駅PM18:13着
片道普通乗車券:1890円

十二兼駅発は17時、18時にもあります。春ならばせっかくなので柿其渓谷で時をすごすのもいいでしょう。

中央線南木曽駅次の十二兼駅は、小さな待合室と簡易水先便所があるかわいい駅です。この駅から柿其渓谷、恋路峠を経て野尻駅に至る約10kmの自然歩道コースがありますが、木曽川左岸の中山道と比べれば歩く旅人は極端に少ない。木曽川右岸南木曽から野尻までの道は急峻な崖道ですし、観光的にも歴史的にも旅人を誘うものが少ないからだろう。
柿其渓谷へは以前、天然公園まで歩いたとき訪れた。荘厳な牛が滝以上に蒼く澄んだ黒淵が印象に残っている。飯盛山登山口でもある峠、恋路峠まで上ります。昔は小路峠といわれたが(地形図にも明記)、世俗意味を含んで今の名に通称されたのでは。柿其橋を渡り樹齢五百七十年と推定される熊野杉の巨木が立つ八剣神社を右手にみて柿其水路橋の下を歩きます。
自然歩道ルートは岩倉への道と分かれ田園地帯へと進みさらに民宿「ほていや」のまえで右の道をとります。飯盛山が間近に見えます。赤い恋路橋をわたり二度山道をぬけると恋路峠に出ます。
峠には休憩小屋と展望櫓が設けられ櫓に上れば中央アルプス中央部を望むことができます。峠から野尻へはさらに遊歩道が整備されています。
飯盛山へは櫓わきから細道が上っています。この道は作業道ですがわりあいはっきりしています。尾根は西の南木曽町と隣の大桑村の境を上っています。尾根伝いに最近付けられたと思われる木柱と赤いテープが随所に見えるが、道はだいたい南木曽側にあった。これが下山のさいかえってあだになるとは思いもしなかったが。
ひと登りした鞍部からは大桑の村を眼下に空に連なる中央アルプスが遠望できます。登山中、ここが唯一の展望があった場所でした。
飯盛山頂から続く山稜を樹林越しに垣間見ながら踏み跡をたどって行きますがだんだんあやしくなっていきます。コンパスの指す方向と赤い目印をたよりに森の中を進んでいきます。伐採地の切り株をよけ返りの道を頭にとどめながら登るが、ソロだと不安がよぎるでしょう。(GPSが欲しいと思うのはこんな時かな)登りきった高みにコンクリート標柱を見つけさらに東へ分け入ります。短い距離ですがもう道ではありません。
着いた山頂は四方が木で囲まれ、三等三角点と木地師が置いたと思われる姿がはっきりしない石仏のみが迎えてくれました。
記憶の確かなうちに下山すべく早々に腰を上げる。
伐採地へ下るさい踏み跡を失いかけたが記憶を頼りに慎重にあたりを見回し目印の赤テープをさがす。こんなときコンパスを過信するととんでもない目にあう。伐採地を過ぎれば高ぶった気分もおさまりはっきりした踏み跡をどんどんくだっていく。
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-南木曽町と大桑村の境界 標高670m- 

4恋路峠
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-車の走らない舗装道- 

2柿其自然歩道
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-柿其橋からみる飯盛山、手応えありそう・・- 

1飯盛山
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-尾根- 

6急登もあります
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-中央アルプス、宝剣岳・三沢岳・檜尾岳-

5小さな鞍部より
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-赤いテープもちらほら・・- 

4踏み跡をたどり
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-三角点にて- 

9静かな飯盛山頂
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ここが一番のくせものでした、迷いやすい。

8明るい伐採地
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-疎林から西稜線を- 

7樹林
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-吸込まれそうな蒼さでした-
(←クリック)エメラルドグリーンの黒淵

< コ−スタイム > 歩行時間:5時間
shoes十二兼駅→4.5km(75分)恋路峠→(40分)鞍部→(50分)山頂→(65分)「牛が滝遊歩道」牛が滝→(70分)十二兼駅

柿其渓谷はこちらから(2001年)

< あとがき >
walk里山歩きは登りより下るほうが難しい。けして甘くみたわけではないが二度も道を失った。境界の目印を信じて不確かな箇所に目印をつけなかったことが原因だが、それにしても下りにはコンパスがあまり役にたたないと思うのはわたしだけだろうか。

鞍部でアルプス遠望とも別れなおも尾根を下っていくと、ふと道が違うことに気がついた。境界を示す赤テープどうり下ってきたつもりだが道は尾根からはずれ雑木林へ降りていた。あたりを見まわすと記憶にない赤いテープも見た。峠までわずかだが余計なバイトなどしたくないので戻ろうとしたが、その時子供のかん高い声が響いてきた。
声のしたほうを見やると何か小さな箱のような物が見えた。単眼鏡でみるとどうやら祠らしい。やはり祠だった。小道がつづき下ってみるとひょいと広い道に降りた。近くに標識が立ち、この道は牛が滝と恋路峠を結ぶ遊歩道だと知れた。
あまりほめた下山ではない。
牛が滝へ進みさらに木階段を下って黒淵へとおり、渓谷に架けられた吊り橋をわたって車道に出た。時計をみると、予定より45分ほど遅れていたので渓谷での休憩をそこそこにし再び自然歩道に戻り駅へと帰った。ワンマンカーが駅に着くまで待合室でゆっくりくつろぐことができた。
- 10, 13/2008年

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