日ノ観ヶ岳 -乗鞍がみえる久々野、朝日町の里山-

 平日、早朝の二両連結ローカル列車が美濃大田駅に着くや勤め風乗客が一斉に降りた。歯が抜けた席に座るやリュックから朝食のサンドイッチをとり出し口にほおばった。目的地の久々野駅まで二時間もある。
 荒々しい河の浸食をみせる飛水峡をすぎ列車が白川口駅に入ると高校生らが数人乗り込みさらに飛騨金山駅、下呂駅からも黒服、セーラー服の学生、そしてさらに十数人の園児らが先生らに引率され車内に駆け込んできた。朝の車内はにぎやかだ。一千メートルに手が届く山々がつづき、列車は急峻な飛騨川に沿いつつ幾度も渡りして軽快に走る。古刹で知られる禅昌寺駅のつぎの飛騨萩原駅で学生や園児らはみんな降り、一気に車内は静かになった。
 列車行き違いのため待ち時間の間にプラットホームの自販機へ走り缶コーヒーを買う。御前山、仏ガ尾山、飛騨の分水嶺・川上岳と秀峰がつづき列車は久々野駅に着いた。駅からは久々野のシンボルともいえる高屹山が青空に見目良く見える。

 今日訪れる日ノ観ヶ岳への登山口がある朝日町(旧朝日村)へはここから飛騨川にそって北上しますが、この三月のバス運行の時間変更により午前には利用できなくなった。(下記)てなわけでここは歩くとします。歩き始めてまもなく三角錐の日ノ観ヶ岳が見えます。川沿いの水田はいま田植えの最中でした。美女街道への分岐をすぎ久々野大西に入ると素晴らしい景観が目に飛び込んできました。
 いまだ豊富な残雪に覆われた乗鞍岳です。この先ずっと山と対面しまさに「乗鞍が見える街道」です。
日ノ観ヶ岳
日ノ観ヶ岳(1,105m)県道87号久々野町坂野から
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日ノ観ヶ岳廻りイラストmap
 八幡神社から橋を渡り朝日町小谷(おだに)に入り鐘楼のある長園寺を左に見て美女橋へと進みます。どこにも山への登山口を示す標識はありません。交差点の手前百メートルから山へ上る舗装道がそれなのでしょう。ひと呼吸し林道を上ります。すぐ舗装はなくなりは地道になり右からの小谷林道と合流。送電線整備の車が行き交うのでしょう、轍がくっきり浮き出ていた。
 地形図の林道終点まで進みはたと足を止める。少し手前に山に入れそうな切り開きがあったことを思い出し戻ると確かに赤いテープが吊り下げてあった。
小谷林道
3県道から小谷林道へ

長園寺
2浄土宗長園寺

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青空に残雪が映える乗鞍

4乗鞍がみえる旧朝日村
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先は林道終点、右の茂みから入る

4登山口
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足元の青い杭が目印、とても明瞭です

5登山道
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山頂から北西には加賀白山が・・

2山頂、三角点と阿弥陀堂
クリックで白山遠望!
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北ア、黒部五郎岳から笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳そして乗鞍岳まで、左窪地は美女ヶ池 

日ノ観ヶ岳山頂東端から北アルプス、乗鞍岳遠望
-左クリックでズーム-


久々野駅< 交通アクセス >
電車<行路>JR高山線鵜沼AM7:18発→ 久々野駅AM9:33着
<帰路>久々野駅PM16:35発→ 鵜沼PM18:41着
片道普通乗車券:1890円

note<帰路>濃飛バス高山BC行き小谷発PM15:42→ 久々野駅着PM16:02
運賃:420円
※現在は高山駅BCから往復(2012年)

< コ−スタイム > 歩行時間:4時間
shoes久々野駅→(8.0キロ≒1時間45分)朝日村小谷林道口→(40分)林道阿弥陀堂登山口→(40)山頂(1105m)→(20分)登山口→(35分)県道
 踏み跡に入るや道がはっきりしちいさな鞍部に出ます。右に方向を変え尾根に上る。数十メートル毎に朝日町が埋めた青いキャップを乗せた杭が目印になります。これは隣の久々野町との境を示すものとみえる。やがて大きな岩に出くわすが左に道が作られている。岩に上ると乗鞍岳が目前に迫ってくる。少しの登りで山頂に着く。
 平成九年に建てられた阿弥陀堂と山の由来を記した立て札が立っていた。それによると、乗鞍と御嶽の間から射し昇る御来光から名付けられたとのこと。山は四方に尾根が広がり南尾根が今登ってきた道です。西へ進むと石仏が鎮座し尾根が下っています。東へ少し下ると切り立った岩に出て素晴らしい景観が得られます。眼下に朝日町が広がり北アルプスから乗鞍岳が一望できた。北西には白山の姿も見えます。ただ御嶽は見えず。
 下山はもと来た道を戻る。林道に降りたとき「奥ノ院阿弥陀堂・登山口」の標識を見つける。登りの時にはまったく気付かなかった。
 美女橋から眺める乗鞍、水田や神社の社叢と似合う乗鞍、夕暮れの乗鞍はどんな色に染まるのだろうか。帰りのバスを待ちつつそんなことを思い浮かべていた。

- 5, 21/2008年
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