晩夏の風物詩 證法寺の傘鉾

寺
八月十五日に新溝山證法寺(しょうぼうじ)で傘鉾(かさぼこ)の行事が開かれました。寺の境内に立てられた柱に傘の骨のように組まれた横木からたくさんの行灯が吊下げられています。

「この行事は、その昔、親鸞聖人が関東から京へ帰る道中で、この寺に宿泊した時に、法力でこの寺の蚊を封じたという伝説にちなんで行われているものです。」−広報誌いわくらー
お盆の終りの夕暮れに、鐘の音や読経の声に誘われて散歩がてら出かけた。
近くのかたらが境内に飾られた傘鉾のしたをくぐって本堂へお参りしていました。写生しているかたや、にわかカメラマンも多々見受けられ、去り行く夏のなごりを提灯のうつろげな光とともに見送っています。
もっとも今では、その提灯の火も電灯だとか。寺から流れる読経も、寺の入口に置かれたテープレコーダーからでは情緒も半減する。有難味も薄れるかな。
境内
傘この傘鉾、九州では大きな天蓋、つまり頭にかぶる笠をイメージしたもので五穀豊饒を詠った幕が笠から垂れています。博多どんたくが有名ですね。
また東北では、竿灯(かんとう)といって、稲の穂に見立てた数十個もの提灯をぶら下げた支柱を肩や腰で受けて練り歩く祭があります。こちらも収穫を祝ってのお祭のだしものです。どちらも夏真盛りに行われています。
岩倉の傘鉾は、形では竿灯に似ていますが、名前が傘鉾となっています。お寺の宗教行事のひとつである点も変わっています。
- 9,7/2004
inserted by FC2 system