天王山から誕生山へ - 晩秋、バスと電車でゆく美濃の里山"小遠征 "-

- ヤマモミジの紅葉 - 大矢田神社 - 霊峰と東濃一望 - 誕生山より < 交通アクセス > (往)名鉄岩倉駅 → 新岐阜駅 (復)長良川鉄道・美濃市駅→ 美濃太田駅 (復)JR美濃太田駅→ 鵜沼駅 (復)名鉄新鵜沼駅→ 岩倉駅 運　賃 670円 640円 210円 410円 (往)名鉄新岐阜駅 → (75分)大矢田神社前 ※午前発 7:52 9:26 のみ(2019年) 1000円 　　<コ−スタイム > 歩行時間:5時間 バス停大矢田神社前→（35分)大矢田神社→（30分)大モミジ→（30分)天王山(567.6m)→（45分)送電鉄塔→（30分)鞍部・「隠し水」→（45分)誕生山(501.5m) →（35分)下山分技→（20分)下渡橋→（30分)長良川鉄道美濃市駅

山里の紅葉も終盤を迎え十年ぶりに大矢田の天王山へむかう。名鉄岐阜駅からバス高美線に乗り関市武芸川町回りで一時間余、大矢田神社前で下車。参道から色あせたもみじ並木道を進み、先週、演じられたひんここ人形劇の山舞台を右にし天王山から東へつづく誕生山の山稜を望む。モミジ紅葉も今週が見納めとばかり境内前の駐車場は朝から数珠つなぎ。山門で一礼し紅色で彩られた境内に入り石階段を上がる。本殿奥から参拝、そして紅葉見物客と別れ楓谷へ。 　しっかりした道が谷沿いを上がっているが、滑りやすい岩上や狭い崖道もありなかなかの登山道。中腹にヤマモミジの巨木が立ち鮮やかな色彩を呈していた。ロープ伝いに崖道を上がりきれば尾根道となりひと登りで稜線に出る。御手洗・神洞からの道と合わせ以降下界の紅葉とは一味違う秋模様を楽しませてくれる天上道だ。 　そして北と南に開けた山頂では善男善女の登山者らが楽しげに憩っている。快晴の今日は雪をかぶった御嶽から乗鞍、穂高と大満足な山景を提供してくれた。バス出がいささか遅くすでに午後にさしかかっていたので、楽しげな登山者らを後に誕生山へとむかう。 　誕生山へは道標もあり道には不安はないが、晩秋の夕刻を考えればやむを得ない。分技からいきなりの急坂を下る。短いアップダウンをくり返し半ばの鉄塔で登山者と出合う。なんと同じバスに乗合せた御仁で極楽寺で下車し誕生山を先に登ってきたと。単身赴任の彼は岐阜郊外の山々をバスで游山されている同好の諸氏でした。

- 大矢田神社から天王山、そして古式由来がある誕生山へ -

お互いあまり時がないので話しも早々にするが分かれしなに彼が言ったセリフ、「誕生山へ上がられたら驚きますよ！」が気にかかった。白山神社から上がる巡視路を右にし鋭角ぎみに下る。鞍部手前に「宮川源流点・隠し水」との木板をみる。短いのでその先へ進むと深緑色の苔が貼りついた立岩を一筋の涙のような水が垂れていた。（※注、下段）戻って鞍部に降りる。 往時の神洞への乗越しであったのか石仏が鎮座している。近くに「西洞ルートJAライスセンター / 神洞グランド」道標が立っていた。（神洞峠）さらにもう一度神洞への道標が立つ。イチヤクソウの自生地をうながす札が指してあった。 　山頂はあと少し、令和を記念してか、名称を記した手製の木階段を踏めばそこは古式由来がある誕生山山頂だ。

-怖いほどせり出しています- そして反射板の南際に予想だにしなかった光景をみた。なんと立派な木製のテラスが設けられいた。(←左画像)、木々頭越しに美濃の町を望めしが今は呆れんばかりな、ど広い展望を寄与していた。これは天王山からの眺望と張り合う所存なのだろうか。ちょっとやりすぎな感を覚える。さらに御嶽ばかりか乗鞍、穂高連山までも望めれるよう木々を空けていた。「及ばざるは過ぎたるよりまされり」は自然に対するひとの思いにも云えるようだ。山頂に掲げてある誕生山への諸々の登山ルートに思いをよせ、西日も紅くなってきたのを潮に下山します。 反射板の設置者が設けたSUS製の手すりは下山の際は特に気をつけたい。降りたさきにすっきりした霊峰がおがめる休憩地がある。さらに手すりをつたい落葉の道をどんどん下る。鞍部に出て道標の「前野へ」を左折する。ほどなく林道に出るが長良川沿いの車道まで案外歩きでがあった。さらに下渡橋を渡り美濃市駅まで二キロ余りの道のりは、紅色に染まる天王山、誕生山の見送りを後ろにいささか足に堪える。なんとか予定の列車時刻に間にあい安堵し、この小遠征気分の登山を閉めた。 2009年11月23日 大矢田半道からはこちらから ※「隠し水」についての伝説は、後日「山のコラム」(2019年12月)にて物語せつめいしました。