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実に17年ぶりに訪れたのは白川と東白川の境に立つ無反山(むそれやま)。東白川の山では一、二を競うほどの展望の良い尾根との評判で、二月の雪のない時期に登った際、静かな雑木の中を黙々と登り、山頂近くの緩やかな尾根より加賀白山から御嶽へと見わたす絶景は特筆すべきものでした。それを再度確かめんがために好天の日を選んで車を走らせた。 白川から黒川沿いを上り黒川東白川トンネル口を過ぎ、佐久良田神社から一車線の林道を大野峠へ北上します。途中、お山様への登り口、鳥居がやりすごし広い峠に出る。峠には登山口表示板に負けないほどの「御嶽展望地←約1.5q」看板が目につく。 倒壊した鳥屋跡からはじめの第1ピークまでが最もきつい上りで、木や小岩をつかみ這って登るのも誇張ではない。ピークから振りかえると樹間から白い霊峰がのぞく。以降、スギ、ヒノキの雑木林を道はゆるく蛇行しながら上ってゆく。どうやらかってのピークを越えつつ上がる道を避けているもよう。頭をあげると生育した木々の背が高い。案内板がにぎやかで登り易くなったのは否めないが、その分ほとんど見晴らしがない。 鞍部をだらだらと落葉を踏みながら進み、やがておしまいの坂を上がりきると三角点と祠がある樹木にかこわれた山頂に到着。枝の隙間から噴煙をあげる御嶽が輝いていた。
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