各務原アルプス縦走路の一角にある金毘羅山の山頂神社から南へ道が続いているが、ふもとのどこに下っているのか前から気になっていた。地形図をみると、距離はたいしたことないが等高線がえらく密に重なっている。大安寺川源流近くまで道が上がっているからきっと登り口があるやかもと、暑くなるまえに訪れることにした。 日本ライン「うぬまの森」から明王山へ登る道の途中に、中山道鵜沼宿を東西にわける大安寺川上流まであがる林道に通じるわけ道があることは知っていた。住宅地をすぎ緩やかな山道を進み、送電線を越したしばらくのところに道標が立っています。本道からはずれて左の山腹へ入ります。 大安寺川源流を越し戻るように下ってゆくと、草付の道となり最奥の砂防ダムが見えてきます。ダムから二十メートルほどその道を下り、山側の木の幹から垂れている赤い布を見つけます。山の樹木がここのみ切れ露呈した土に落葉が豊富に重なっていました。 のっけからえらい急坂、いや崖に等しく、おまけに落葉のおかげで足が滑ること滑ること、つかまる物といえば申しわけていどの小さな岩ぐらいです。腰を伸ばすと後ろに倒れそうになるのではって進みます。立止まり振りかえると緑の壁が閉じようとしている。低木にはさまれるようになると踏み跡がややはっきりしてきました。そして手前のピークに上がればしつかりした尾根道が続いています。三等三角点のある山頂神社はもうすぐです。 金毘羅さまに一礼しパラボラ塔が建つ明王山へむかう。金毘羅山南尾根をながめ、あれを下らなかったことは賢明だったとうなづく。明王山からうぬまの森へひと息に駆け下り、残した疑問が解けた、さっぱりした面持ちで鵜沼駅へと帰った。
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